ハートリンク放課後等デイサービス本郷台《環境設定》

いつの間にやら年度が変わりまして、文字通り、新時代の兆しが見えて参りました。私たちハートリンク本郷台も世間の波に乗り、新時代へと変化して行きたいものです。今年度も皆様どうぞ、よろしくお願い致します。

さて、本日のお話は以前ちらっと言葉が出た『環境設定』についてにしようかなと思います。

環境設定とは、これもまた文字通りなのですが「環境」を「設定」する事です。本当にそのままです。ただこれ、何かしたい時、させたい時、それを適切に行っているかが、上手くいくかどうかを左右する非常に重要なカギとなります。

お子様に限らず、私たちの日常にもたくさん当てはまるものがあります。

例えば。

ここで決めてやる!告白するぞ!っていうときのディナー。どっちのお店を選びますか?

①安価だけど味はイマイチのレストラン

②夜景の綺麗な話題のレストラン

すっごい王道ですが、②の方が上手くいくと思いません?さらに相手の好みの食べ物をリサーチしておいて、それを出すお店に行くと尚良しな気がするし。レストランの中でも、中央のちょっと他の人の視線が気になる席より窓際の静かな席の方が距離が縮まる気がするし。

集中して仕事するぞ!っていうとき。どっちの部屋でやりたいですか?

①テレビでバラエティがついていたり、目の前にはゲーム機と漫画。隣には電話で盛り上がっている家族がいるリビング

②壁側を向いた机と椅子のある、一人きりになれる個室

もしかしたら周りがうるさい方がいい、という人もいるかもしれませんが、大多数の人は②を選ぶのではないかなあと思います。気の散るものが少なくて、集中しやすそうですよね。

つまりは、そういうことです。

お子様の話に戻ると、お子様がこちらの意図するターゲット行動を取りやすいように、そちらに意識が向きやすく、他所に気が散りにくい環境を作る必要があります。不適切な行動が出たから事後介入するのではなく、出にくいように最大限の事前介入を行います。

こちらが提示したことに反応せず近くのおもちゃで遊び始めた子がいるとして。「遊ぶ時間じゃないでしょ!」と注意するのって、どうなんでしょう?だって、最初からおもちゃを置かなければ少なくとも「おもちゃで遊ぶ」という行動は起きなかったはずです。そうなる可能性があるのに取り除いておかなかった、不適切な行動を取らせてしまったことをまず指導員が省みなければいけないと思いませんか?

こういう場合、私たちは提示に向き合いやすい『環境設定』として、始めからおもちゃの無い環境を作っておく必要がありますね。もちろん、おもちゃを取り除いたところで違う形で提示から目を背ける(回避する)かもしれません。その時はまた、それに合わせた環境設定、提示、補助を見直していきます。

余談ですが今出た「回避」については、また改めてお話します。

以前載せたこの写真↓

周りに物が沢山あるから、自分の課題が終わり丸付を待っている時や、わからなくて指導員を待っている時、気が散って違う事をやり始めてしまったり。集中が途切れやすい環境を作ってしまいました。これは指導員のミスです。

「~さん、自分のプリントやるよ」と子どもに指摘をしてしまいました…いやいや「環境設定のせいじゃない?」と指摘されるべきは指導員の方でしたね。本当に反省です。

みんなを集めて話をしている時、途中で離席したり、遊び始めたりする子がいますが、「なんで?」を考えてみると意外と指導員の提示や、環境が原因なことって多いんです。私たちの工夫次第でどうにかなったかもしれない、もう少し良いものを提供できたかもしれない。学びの機会を作っているつもりで同時に奪っているのも、私たち指導員だったりします。『環境設定』はそれほど、行動を左右する要素です。

学習についてだと例えば、自分はまだ課題をやっているのに終わった子が近くで遊んでいるのが見えたら、気になってミスも出てきます。早く終わりたくて投げやりにもなってしまいます。気の散り具合は差があると思いますがみんなが勉強している環境と、楽しそうに遊んでいる子が見える環境だったら前者を提供できた方がいいですよね。

ただ、どうしてもみんな一緒に終わるのはなかなか難しい。だから今できる最大限の環境設定として遊んでいる子たちが見えないよう反対向きに座らせたり、活動スペースを分けたり、あとは提示として課題自体に面白さを持たせるようにしています。まだまだどちらについても改善の余地は大ありですが…。

そして、『環境』というのが本当に重要だなあと思ったのが先日行った図書館です。

普段は事業所内で走り回って遊び、本には自分から全然近寄らない子も、『図書館』という環境に置かれると落ち着いて読書に取り組んでいました。本しかないし、走っちゃいけないし、なるべく面白そうな本を見つけて時間を過ごす為、自発的に本に近づくことが出来ます。

みんな笑顔で読んでいました。たまに触れてみると本だって悪くない!いつも通り行った事前の約束も意識しながら、みんなの国語スキルや強化子のアセスメントにもなりました!

 

なるほどこのくらい目的が明確な環境は、シンプルでわかりやすくていいなあと子ども達を見て実感しました。

本も大切ですが、子ども達との日々で学ぶ事の方が圧倒的に多い。今年度もどうぞよろしくお願いします、本郷台教室のみんな…!

またのご利用、ご閲覧お待ちしております♪

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