ハートリンク放課後等デイサービス本郷台≪エアインチョコ実験≫
こんにちは。ハートリンク放課後等デイサービス本郷台です。
北京オリンピックが閉幕したばかりですが、同じユーラシア大陸では地域紛争が勃発して一般の人にも犠牲者が出ているようです。新型コロナの猛威もとどまることを知らず、周りからも色々な情報が伝わってきています。世界的にも憂鬱なニュースが多い今日この頃ですが、気持ちだけでも明るく前向きに持ち、新型コロナの終息と平和を願って日々頑張っていきたいですね。
以前このブログでお伝えしたようにハートリンク本郷台でも様々な対策を講じて感染予防に努めています。
療育の一環として今までは月に何回か食育を行ってきましたが、ハートリンクでは感染予防対策として2月より食育を中止しています。伝統的な年中行事に合わせて季節にちなんだ料理やお菓子を作ることも多く、子どもたちも楽しみながら季節感を感じたり、包丁を使ったりすることでスキルアップしたりすることができたのですが、しばらくの間は他の活動に変更しています。
2月14日バレンタインデーにちなんでチョコレートを使ったお菓子作りをする予定だったのですが、急遽エアインチョコを作る実験に変更して活動を行いました。
食育の時はエプロンと三角巾を着用し、テーブルも消毒した上にビニールを貼り付けて作業を行っていましたが、今回はあくまでも実験なので、できあがったエアインチョコは口にはしませんと言うことで、エプロン等も着けず、工作用のテーブルで新聞を敷いて行いました。
エアインチョコ作り
工程は簡単です。板チョコをできるだけ細かく割って溶かし、そこに酢酸(お酢)に重曹を加えたものを素早く加えて軽く混ぜて冷凍庫で冷やすだけです。
今回は味は関係ないので板チョコもスーパーで売っていた一番安いものを使用しました。余談ですが、バレンタインの前日にチョコレートを男一人で買いに行くことになり、ほかに買うものもなく板チョコを5枚だけレジに出すのが少し恥ずかしかったですね。(笑)
全体を3つのテーブルに分けてチョコレートを細かく割る作業から行ってもらいました。溶けやすいようにできるだけ細かく割るよう指示すると、同じテーブルの仲間たちと分担して力強くバキバキと割ってくれました。
ここで容器ごと湯煎をしてチョコレートを溶かすのですが、今回は容器ごと電子レンジでチンしてチョコレートを溶かしました。紙コップに酢酸を少量入れそこに重曹を加えて軽くかき混ぜて、すぐにチョコレートと混ぜ合わせました。この時も混ぜすぎるとフワフワした食感がなくなってしまうということなので、全体が混ざる程度、4~5回混ぜてと指示を出すとどのテーブルもキチンと指示を守り上手に完成させることができました。できたものを冷凍庫に入れて冷やしている間にもう一つの実験を行いました。
実験の目的
今回は日本でも定着しているバレンタインデーに行う予定だった食育の代替的活動ということもあり、チョコレートを用いる実験を行いました。また実験であっても実際に食べられるエアインチョコ作りと工程は変わらないので家に帰って作って実食できればとも思い、できるだけ簡単な工程で作れるよう考慮しました。
-
定着している行事に目を向けて、季節感を感じる。
-
簡単にできる、手作りお菓子もあることを知り、実際に作ることができるようにする。
-
チョコレートを割ったり、かき混ぜたりすることで微細運動を行う。
-
食育の時と同様に各工程での役割分担を決めることで、話し合う能力を高めるとともに相手の気持ち、自分の気持ちを考えて譲ったり、譲ってもらったりすることでコミュニケーション能力を高める。
-
協力して作業し完成させることで成功体験を積み、達成感を得る。
-
指示されたことを理解できるように集中して取り組む。
-
指導員の説明を聞き、なぜそうなるのか、その原理を可能な範囲で理解する。
-
今回は実食はできない(実験に先駆けてチョコレートを口にしないことも約束しました。)が、お菓子作り及び実験を楽しむ。
もう一つの実験
チョコレートを冷やしている間にもう一つ実験を行いました。大きめの容器の真ん中に透明なプラコップを置き酢酸を7分目ほど入れて、エアインチョコの時よりも多めに重曹を加えました。重曹を入れるとすぐに、コップから流れ出るほどの泡がシュワッと出てきて、グラスにビールを勢い良く注いだ時のようになりました。プラコップからあふれ出て容器の中に泡が流れ落ちました。激しい反応がすぐに現れたので、子どもたちもエアインチョコよりも喜んでいました。この泡(気体)の正体は何だと思うと質問すると…「空気!」、「酸素!」、「泡!」、「二酸化炭素!」いろんな答えの中に正解の二酸化炭素が出てきました。
酢酸に重曹を加えると二酸化炭素が発生することを説明しました。重曹は炭酸水素ナトリウムという物質で酢酸に加えると酢酸ナトリウムと二酸化炭素と水になるから二酸化炭素が発生したことを説明しましたが、ちょっと難しかったようでした。
炭酸水素ナトリウム + 酢酸 → 酢酸ナトリウム + 二酸化炭素 + 水
二酸化炭素が発生するのでエアインチョコはふわふわになることを説明したところで、冷凍庫からエアインチョコを出して実食ではなく、観察に移りました。酢酸が多すぎたのか、サクッとするよりしっとりとした生チョコのようでした。割ってみると気泡のような穴も見られたのですが、生キャラメルのようにスーッと伸びる感じでした。エアインチョコにはなっていたようでしたが、柔らかすぎたようでした。それでも断面を観察して、「小さな穴がある」、「お酢の匂いはしない」、「柔らかそう」などの感想を上げてくれました。今回は水分が多すぎたようでしたが、気泡のできた確認はできたので、お菓子としてのエアインチョコとしてはあまり出来は良くありませんでしたが、実験としては気泡の跡が観察できたので、二酸化炭素が発生したことも確認できました。
まとめ
ハートリンク本郷台では、時々今回のような実験を行っています。結果が分かりやすく、反応も激しい化学変化の実験は子どもたちも楽しんでくれています。実験を楽しむことを通して科学に少しでも興味を持てるようになり、身の回りのことにも「なぜ?」、「どうして?」という疑問を持ち関心を向けられるようになれたら良いと思います。今回の実験でも二酸化炭素という言葉から、「地球温暖化の原因」と言っていた高学年の子もいました。彼は科学の発展により我々が享受できるようになったものが環境を変えていることも習ったことがあるようでした。いろいろな実験を通して自分の周りに目を向けることができるように支援を行っていきたいと思っています。今後も子どもたちが興味を持てるような実験を考え活動の中に取り入れていきたいと思います。
またのご閲覧お待ちしております。