ハートリンク放課後等デイサービス本郷台《繋がる支援》

ここ数ヶ月、あれもこれも平成最後を謳い始めましたね。

確かに歴史的瞬間ではあるのでしょうが、中身はいつも通りのお菓子に平成最後、とか書かれていると、それとこのお菓子、何の関係あるのよ。と、ちょっと思ってしまっていました。

それも明日で終わり。平成最後の、更新です。中身はいつも通りのブログです。何も関係ないです。ご容赦ください。

 

《繋がる支援》と意味深なタイトルを付けてしまいましたが、「何が繋がるの?」という感じですよね。どこかと手を取り合うコミュニティ的な想像された方がいましたら…申し訳ないです。そういうわけではありません。

いつも、事業所で行う活動をカレンダーのように一か月単位で配布させて頂いています。そこに最近、曜日ごとのターゲットが加わりました。活動することを目的とするのではなく、目的を達成するために活動を手段として使うようになったという事です。

「SST(ソーシャルスキル)」「学習」「生活・運動」「総合」と4つの大枠を設定させて頂きましたが、ただ曜日に合わせてその4つのターゲットの内1つをやっていたとしても、この4つ、定義が広すぎるわけです。例えば1か月は大体4週あり、同じSSTでも1週目は「気持ち」2週目は「挨拶」3週目は「協力」4週目は「時間の管理」なんてやっていたとしたらどうでしょう?あくまで支援は適切な方法で、継続的に行う事で成果が生まれるものです。すべてが単発で終わっていては、そのターゲットに対して継続的とは呼べず「結局なにがしたかったの?」で終わってしまいますね。

ここでお話したい「繋がる」とは、ターゲットを揃えてカレンダーの「縦(同じ曜日)」を繋げるという事です。

つまり、日々の支援を一回で完結させず来週再来週に繋げれば、より継続的で明確なターゲットを持った支援が可能になると思いませんか?

ターゲットが「同じ」とは言いません。「繋がる」ことが大切です。

ここの曜日は一か月間「話し合い」をターゲットにしよう、と考えた時に、4週間分全て「話し合い」をそのままターゲットにするのもお子様のスキルや内容によっては良い学びの環境となりますが、話し合いに必要なものを考えていき1週目は「相槌の打ち方」2週目は「~がいい、という意見の伝え方」3週目は「質問の仕方」そして4週目に「話し合って役割を決める」と行っていくと、違いはあれど最後には「話し合い」を構成するスキルとして繋がり獲得が目指せます。

と、自分で書いておきながらそう鮮やかに繋げるのはなかなか難しい。

実際、「相槌を打つ」というのにもまた様々なスキルが必要で、1度で習得できるものでは恐らくないからです。その日のお子様のコンディションによってもまた結果は左右されます。なのでもしかしたら、「相槌を打つ」というターゲットだけで数週間数ヶ月取り組む必要があるかもしれません。相槌を打つ、というスキルは、そこまで時間をかけてでも今その子が習得するべきスキルなのか?という問題も、長引くと出てくるはずです。

正直な話を致しますと、単発に終わらず「繋がる」というのは間違いなく大切な事ですが「繋げ方」については新年度が始まったばかりのため様子見の最中です。どのような方法がその曜日のお子様、そのターゲットにより合っているか模索中です。

今挙げた「話し合い」の例のように、大きなターゲットを構成する要素を一つずつ行い、大きなターゲット達成を目指す繋げ方もあれば、4月、金曜日3週かけて行った「洗濯バサミ」に関する活動も繋げ方として(少なくとも私は)面白いなと感じたので、報告も兼ねてお話しさせて下さい。

 

金曜日なので、「生活・運動」が大枠のターゲットになります。まずは1週目、「指先の運動」として「洗濯バサミを開閉する」という動きを取り入れる事にしました。お箸や鉛筆の3点持ち、指の力の入れ方・抜き方が課題になっているお子様が複数人いたということと、手元に集中して行えるため落ち着いて課題に取り組む姿勢も自然と必要になるからです。

ゲーム性を持たせて、

順番に洗濯バサミを付けていき、トイレットペーパーがちぎれたら負けゲームをしました!

親指・人差し指・中指だけで持って力を平等に込めるのって、意外と難しいんです…

がんばったんですが限界は来たようで…ちぎれた後は、お片付けです。

洗濯バサミが4色あったので、それぞれの色の紙をラミネートし、色ごとに挟んで片付けられるようにします。せっかくなのでゲームが終わったからどさっと返却、ではなく、片付けの最中もターゲットである洗濯バサミの開閉練習に使います。カラフルだと、ちょっと楽しくなりますね。

さて、1週目はこのように終わりました。2週目は洗濯バサミを使って工作です。

作ったのはこれ!何かお分かりですか?

しっぽです!!洗濯バサミの部分で服を挟んで使います。

洗濯バサミの先に、三つ編みした毛糸を結んでいます。玉結び、三つ編みも指先の運動や「見て真似をする」と言ったスキルのトレーニングになりました。

さて、ラスト3週目は、2週目に作ったものでゲームをします。

しっぽとりゲーム!!

2週目には「来週使うからね!」と伝えることで課題へのモチベーション向上や来週への見通しとなり、3週目には「先週作ったやつだよ!」と伝えることで「自分が頑張って作ったものだ」「今週のゲームは~っていうルールだったなあ」と、興味も引きやすく新しい取り組み、ルールでもハードルを下げられます。

説明の段階で全く初めてものを提示するよりも聞く姿勢を保っていられるお子様が多く、普段は自分から「~やりたい人」といった声掛けに手を挙げる事が難しいお子様も積極的な様子がありました。

3週目、盛り上がりすぎて写真を取り損ねてしまったのですが、いつものしっぽとりゲームと違うルール、スムーズに受け入れて参加する事ができました。

ターゲットが繋がる事、内容が繋がる事、支援が繋がる事で、継続的な支援となり、ターゲット行動の獲得も目指せると同時にお子様の学びの姿勢も変わってきます。繋がり自体が見通しとして機能するからです。

繋がる支援、繋げ方は様々です。色々と試し、改善を重ねていきたいと思っておりますのでもう少々お付き合いいただければと思います。

 

 

平成のハートリンク本郷台からは以上です。次は令和の世界でお会いできることを楽しみにしています。

 

またのご利用、ご閲覧お待ちしております♪