ハートリンク放課後等デイサービス本郷台《ターゲットの違い》
めっきり暖かくなってまいりました。
まもなくゴールデンウィークですか…なんたって夢の10連休。旅行に行く、遊びに行く、と予定を楽しそうに話してくれる子供たち。夢は託しました。私たちの分まで目いっぱい楽しんできて欲しいです。
幻の10連休の話はさておき、本日のお話は、先週行った2つの工作についてです。工作、と言ってもターゲットが違います。ターゲットが違うと、同じ工作でもどんな違いがあるのでしょうか?
①飛び出す動物づくり:ターゲット【指先の運動(ハサミの使い方)】
②腕時計づくり:ターゲット【SST(指示を読んで作業を完成させる)】
さて、両者を比較しながら、ご報告スタートです!
まずは①飛び出す動物づくりについてですが、工作の過程でハサミを使います。
ハサミの持ち方、「あぶな~~~い!」ってなる子、いますよね。右手と左手で別々の動きを同時に行う事が難しい、ハサミを持っている方の手に目が行くのでその先がどうなっているのか(自分の紙を押さえている方の手がある)ということに意識を向けるのが難しい等原因はさまざまです。
なのでハサミについての注意点を事前にみんなに伝える事にしました。
持ち方、正しいのはどっち?それはどうして?
2パターン写真を撮っておき、クイズで出題。
切る時の手、正しいのはどっち?それはどうして?
これもまた、クイズで出題です。
写真や動画を撮っておきそれを見せるというのは、提示する指導員の説明も動きも少なく済むので混乱を避け、何に注目すればよいのかわかりやすくなるため、有効な視覚補助です。
ただ、話は少しそれますが今回、指導員同士で終わった後《FB(フィードバック)》をした際、改善点について考えました。有効な視覚補助、ではあったのですが作るものを発表した後、工作の手順を説明する前にそのクイズを行った事で「あれどうやって作るんだろう?」「いつおしえてくれるんだろう?」ということに意識が行って、今回のターゲットであるハサミの使い方クイズが入りにくい状態ができていたんです。
これは、指導員側の《提示》を見直す必要がありますね。有効な視覚補助も提示、環境設定によってその結果が大きく変わってくるという事がよくわかりました。
クイズで確認した後は、作り方をテーブルごとに教わり取り組んでいきます。
繰り返しますがターゲットは【ハサミの使い方】です。ハサミを使う工程で、「持ち方は?」等声掛けを行い確認していきます。テーブルについている人数よりも少ない本数のハサミを渡し、予め順番を決める時点で貸し借りを行う際の渡し方をリマインドしました。
本当はストローをふくと動物の絵が描かれたビニールが飛び出すというものなんですけどね、動物の絵じゃなきゃいけない決まりはないんです。皆好きなものを書いていました。
完成版!ねこちゃん!!かわいい!!!!
続いて、②腕時計づくりについて。まずは読んで、自分でやってみる事。また、分からない時は「~がわからない」「~を教えて」「~して欲しい」と要求を具体的に伝える事をターゲットとしました。
写真付きの手順書を用意し、材料は全て1つのテーブルに置き、1手順読んで進める際必要なものがあったら「~ください」と取りに来るように伝えます。
こんな感じで、進めていきます!
例えば「紙コップをハサミで切る」という文を読んで、よし、これをやる為には何が必要かな?と考えるためにはその一文から情景をイメージする必要がありますね。イメージする力も必要です。また、「コップの~を切る」というとき、見本と同じ向きに実際に自分のコップを動かさなければいけません。見て真似をする力も必要です。それぞれの子の、それぞれのスキルに合わせて補助を出していきます。
読んですぐに「わからない」「どうやるの」と質問があった時、それに対して「今何番目?」「なんて書いてあった?」と聞くと、自分で指示の内容を口に出して気づく事が出来る子がいました。
わからない、に対して答えをすぐに与える事が必要な場面もありますが、この場合は自分で考えるよう促し、「そうそう、やってごらん」と、その考えを肯定する事で自立での取り組みに繋げることができるんです。指導員の《補助》の出し方次第で学べるスキルは大きく変わってきます。
出来た時計はこんな感じ!
①の飛び出す動物も、②の腕時計も、「結果はどちらも工作をしました」の一言で終わりますが、工作はあくまでターゲット行動を学ぶための手段であると考えています。「楽しかった!」に+αで「できるようになっちゃった!」が加われば、最高ですよね。
指導員間のFBも通し、質の向上につなげて参ります。
さて、次は何を作ろうかな!
またのご利用、ご閲覧お待ちしております♪
ハートリンク本郷台