ハートリンク放課後等デイサービス本郷台《粗大運動》
振り返ってみる学生時代。勉強も特別出来たわけではありませんが、何より体育は不得意中の不得意でした。
長距離走。学校の周りの道を3周するとなれば、1周目の終わりには陸上部のエースに抜かれている。周回遅れが早すぎる。
ダンス。意識しなければいけない緩急。意識しても出せない緩急。そもそも手と足がバラバラの動きをすることが難しいのに、そこに格好良さを出せるわけもなく。
ソフトボール。バッターボックスに立つ。タイミングも距離感も掴めず、私にできることは、向かってくるボールを避ける、その一択。
と、まあ苦い思い出が多いのです。だから運動はあまり好きではありません。「やる気がなかった」というのも、出来なかった原因かもしれません。でもね、得意だったらやる気があったと思うんです。やっても出来ないから、嫌なんです。その失敗体験がやる気のなさを生み、やる気がないからますます出来なくなりやらなくなり、そしてさらに失敗体験、やる気はもっとなくなり…負の連鎖です。
今思えば私も、それぞれの種目について「なぜ」苦手なのかを分析し、少しずつレベルを上げて成功体験をこつこつ積めばできることも多かっただろうし、もう少し運動に対して積極的になれたかもしれません。
さて、何がお話したいかと言うと、以前火曜金曜は《運動・生活》をターゲットにしているとお伝えしましたね。少し前に「微細運動」を行うために洗濯バサミを使ってゲームをしたお話をさせて頂きました。「微細運動」が指先の細かな運動を指すとしたら、その逆、身体を大きく使った運動のことは「粗大運動」と言います。只今苦い思い出ラインナップとして挙げた走る、ダンス、ソフトボール、どれも「粗大運動」に入ります。本日は本郷台での「粗大運動」練習の取り組みを、一つご報告も兼ねてお話させて下さい。
先日、粗大運動の中の《バランス感覚》をテーマにした時のお話。本当はその日、「でこぼこ毛布競争」という何とも面白そうな競争を行う予定でした。毛布のしたに、踏んでも大丈夫な凹凸のあるものを置き、その上を転ばないように歩きます。平面ではない不安定な場所で、どこに足をかけるか、どう重心をとるのかの練習です。
しかし!
下に敷くはずの大量のペットボトルを!前日に捨ててしまうという情けない凡ミスをしてしまい!
何か代用できるものがないかと探したのですが見つからず。急遽、同じ《バランス感覚》をテーマに違う内容を行う事にしました。
何をしようか?と考えた時、新たにゲームを考えてそれを行おうかとも思ったのですが、思い出していただきたいのはあくまで《運動・生活(今回は粗大運動)》がターゲットであるということ。もしも新しいゲームの説明をしたとして、そのゲームが分からない、だからやりたくない、となってしまうのは、ターゲット以前の指導員の課題設定の問題です。《ルール理解》のターゲットはSSTで取り入れる事項であり、今回のターゲットではありません。なのでシンプルに、体操教室を行う事にしました。
体操教室。一列に並び、スタートの合図で一人ずつ課題をこなしていきます。今回は、課題としてサーキットゲームのような2種類のコースを用意しました。どんなコースかというと…
まずはこちら。「歩く」のコース。一段上がった、細い平均台を落ちないようにバランスを取って歩き、そのあとは床に散らばったピンクと水色2色のカードのうち「ピンクだけ」を踏んで歩きます。カードが小さいためつま先立ちになり、さらに足幅が遠い・近いという体勢で倒れないようゴールを目指します。
2つ目はこちら。「くぐる」のコース。まずは身体を縮めてフラフープ、次は手足で這ってテント、最後は手の力だけで机の下をくぐるコースです。こちらは《バランス感覚》からは外れていますが、好きな方を選択できる、という自由度を増やすこと、普段できない机の下に入る、という特別感を課題に取り入れることで興味、自発的な「やりたい!」を引き出すために用意しました。
あまりルールや制約を設けないため、どれを一人何回、といったことは決めず、制限時間内で好きな方に好きなだけ並んでいい、という事にしまた。そして体操教室ですから。忘れちゃいけない事前の…
準備体操!掛け声に合わせて行いました。見本を見ながらそれと同じ動きをする《身体模倣》の練習にも使えます。
さて、繰り返しますが《運動・生活》のターゲットに対しては、もちろん手段としてスポーツやゲーム、競争を取り入れていくことも大切です。しかし最優先するべきことはあくまでその機能の練習であり、ルールを理解して行う、というところに困難が生じてしまうのは課題違いです。本郷台で行っている曜日別の4つのターゲット、《運動・生活》《SST》《学習》《総合》それぞれ別のアプローチで支援を続けていきます。
またのご利用、ご閲覧お待ちしております♪