ハートリンク放課後等デイサービス本郷台《トークンシステム》

先日みんなで、町探検に出かけました。いくつか選択肢(自販機・信号機・標識等)を出し、「この中で一番町の中にたくさんあるもの選手権」を実施。班で1つ選んで探検中数えながら歩きました。

それと同時に、競争ではなく「夏っぽいもの」探しも行いまして。道中発見した夏っぽいものを写真に収めながら歩きました。ちなみにその時の様子がこちら↓

夏っぽいものと言えば。アイス、ひまわり、セミ、スイカ、汗、Tシャツ、冷やし中華、プール、海…いろいろ出てきますね。あと、宿題とか。学生にとっての夏の(あまりうれしくない)大定番ですよね。

本郷台にも、夏休みの宿題を持ってきて取り組んでいるお子様がいますが、宿題ドリル、最近はいろんなキャラクターがモチーフになったものがあるみたいで。

教室のみんなが持ってくるドリルを見ていると、ちょっとワクワクしてきます。ただの勉強、ただのドリルなら難しそう面倒くさそう嫌だなあ、で終わってしまうものが、好きなキャラクターが書いてあってポップな字体でカラフルで、1ページ終わると好きなキャラクターのシールが貼れるドリルだったら、少なくともただのドリルよりはやる気になれますよね。

夏休みのドリルを見ていて感じた、よくできてるなあというシステムについて。本日は支援の話と合わせながらお話させていただきたいと思います。

先ほど、「1ページ終わると好きなキャラクターのシールが貼れる」と書かせていただきました。表紙の裏が迷路のように数字が振ってある台紙になっており、順番に付属のシールを貼っていくと全てページが終わると同時にゴールしたり、絵が浮かび上がったりする、と言えばみなさんも一度はやったことがあるのではないでしょうか。

あれがあるのとないのとでは、モチベーションが大きく変わるのではないかと思います。まず、たくさんシールがあるという時点でちょっと楽しい。さらにそれを一つ選んで貼る、という遊びを、課題を終えた後に行う事が出来るんです。課題を終えなければ出来ない遊びです。「シールを貼る」という行為が、「課題を1枚やる」という行動の「強化子」になっているわけですね。

そして、台紙を見れば今どこまで進んであとどれくらい残っているのか、というドリル全体の見通しとしても機能します。全部シールを貼り終わったらおしまい、宿題からの解放と言う最大の強化子。ゴールが分かりやすいですよね。

さて、今回お話したいシステムと言うのはこれです。こういった、徐々にポイントを貯めていき最後まで行くと強化子がもらえるというシステムのことを、「トークンシステム」と呼びます。

トークンシステム、ご説明すると、適切な行動から強化子を与えるまでの時間を補強する条件付きの強化子ということです。うーんちょっと難しい。つまり、すぐには強化子を与えない(与えられない)けど、これがたまったら与えます、ということを視覚的にとらえられるよう提示するシステムです。

どんな行動ができたらトークンが1つもらえて、いくつ溜まったら何が強化子として与えられるのか、を決めて使います。ターゲット行動に対して即強化、の流れだけでは、それが出来ない環境やもうターゲット行動を簡単にこなせるようになった場合、対応が難しくなってしまうので、強化子が出てくるまでの「待ち時間」の学習や、自発的にターゲット行動を行えるようにするために用います。

決して複雑なものではなく、日常私たちが用いるスタンプカードや、仕事でお金をもらうのと一緒だととらえていただけるとイメージしやすいかと思います。1回の買い物は1ポイントだけど、たくさん貯めたら素敵な食器と交換出来たり、1か月働いたら給料がもらえたり、どちらの場合もすぐに結果は出ませんが、先の結果を目指して「買い物をする」「仕事をする」と言った行動を取りますよね。

支援で用いる場合、前述のドリルのようにシールを用いても、スタンプでも、磁石でもなんでもいいんです。大切なのはトークンをもらえる条件とゴールが明確であるという事、最後の強化子が、それを貯めるほどの価値がある強化子であるという事です。待っている強化子ではトークンを貯めきるまでのモチベーションにならない、となっては、トークンシステムは機能しなくなります。

 

さて、本郷台ではどのようにこれを用いているのか?というところなのですが、

じゃーーーん

 

 

スタンプカード、と名残で呼ばれていますが、「シールカード」です。

その子に合わせて約束を2~3個設定し、1日それが守れていたら帰りの会でシールを貼っていく。全て貯めたら強化子がもらえる、というトークンシステムを行っています。

これ、1個の目標に対して22回分もシールがあるんですよ。利用頻度が多いお子様でも、2か月くらい貯めるのにかかります。と言うことは、「~(強化子)を得たいから約束を目指すぞ!」というモチベーションが2か月も維持できるような強化子が必要だという事です。なんだと思いますか?

正解はこちら↓

 

 

これのためなら頑張れる。いつの時代もガチャガチャは強いです。

 

これはトークンシステム自体とは逸れますが、カードの種類を複数用意して、自分の好きなものを選んでもらっています。ドリルが自分の好きなキャラクターなのと一緒で、好きなもの・お気に入りのものであるということもまた、強化子までの「待ち時間」をサポートする要素の1つであり、「1日頑張ったからシールを貼れる」という日ごとの強化子のレベルを引き上げるための要素でもあります。ガチャガチャまでの道のりを、ただひたすらガチャガチャと言うゴールだけ見て進むより、好きなものを使って楽しみながら進めた方がいいですよね。

さて、次にゴールするのは誰でしょう?

 

またのご利用、ご閲覧お待ちしております♪