ハートリンク放課後等デイサービス本郷台《感覚統合》

こんにちは。ハートリンク放課後等デイサービス本郷台です。
八月に入り、ようやく梅雨が明けましたね。これから益々暑くなりますが、家の中で熱中症になる割合が多いため、水分補給をしっかりとして熱中症に備えて下さい。
今回のブログは、感覚統合について書きたいと思います。

気になります!こんな子どもたち

動きがぎこちなく手先が不器用
集団行動や行事への参加を嫌がる
落ち着きがなく動き回る
こうした行動の背景には、感覚の育ちの偏りや弱さがあるのかもしれません。
では、どうすればよいのでしょうか?
そこで出てくるのが感覚統合です。

「感覚統合」とは?

感覚統合とは、複数の感覚を整理したりまとめたりする脳の機能のことです。いわば、脳の交通整理です。
感覚統合の力がうまく働かないと…
交通整理がされないため、車はどこを走っていいか分からなくなり、混乱し、渋滞してしまいます。

感覚統合の発達において必要なこと

感覚統合の発達には、3つの感覚が重視されます。
それは、
触覚
前庭覚(体の傾き、スピードの変化)
固有受容覚(関節の動き、力の加減)
です。
この3つに訴えることにより、感覚統合の発達を狙います。
そこで、ハートリンク本郷台では、感覚統合を狙って育脳サーキットを行っております。

育脳サーキットとは

コース上に色々な運動課題を設け、スタートとゴールを同じ位置にする事で、繰り返し行う事が出来る回路状のあそびです。コースの流れの中で、色々な運動を行うので、遊びながら自然と感覚統合を養っていきます。

コース

1.バランスボールでドリブルをして、4つのコーンの外側をまわりながら、カゴに入れる。ドリブルが難しい児童は転がす。
2.縄跳びを5回跳ぶ。難しい児童はまたぐ。
3.金魚を1匹釣る。
4.再びバランスボールをドリブルしてスタートに戻る。
今回はチーム戦でリレー形式で行いました。
大事なのは勝敗ではなく、いかに楽しみながら運動課題をこなせるかという点にあります。
児童が楽しめる要素を増やす為に、チーム対抗戦としました。
速かったチームには20点が入ります。金魚釣りの点数と合わせて、得点の高かったチームの勝ちとしました。
また、他の児童が走っている時も活動に集中出来るように、上手に応援出来たチームに10点を入れる事としました。

金魚釣り

・使う竿によって得点が変わる。
割り箸と磁石→1点
割り箸と4つ針→3点
竹ひごと4つ針→5点
割り箸と1つ針→10点
・制限時間は1分、時間を過ぎると0点

狙い

①バランスボール
バランスボールに触る(触覚)
ドリブルをする(固有受容覚)
4つのコーンを経由する(前庭覚)
途中でカゴに入れる(固有受容覚)
②縄跳び
縄跳びの持ち手を握る(触覚)
縄跳びを跳ぶ(固有受容覚、前庭覚)
③金魚釣り
金魚を見る、クリップの位置を確認する、釣竿を選ぶ(眼球運動、前庭覚)
釣竿を握る(触覚)
釣竿を使って金魚を釣る(固有受容覚)

それでは、よーいスタート!!

①バランスボール

ドリブルしながらジグザグ移動をするのですが、上手く出来る児童がいる一方、ドリブルが難しい児童もいました。なんとかドリブル出来るものの、ドリブルの位置が低く、リズムが速すぎる様子、片手では難しく、両手でボールを弾ませて、ボールにつまずきながら移動する様子などが見られました。このような児童は、ボールへの力加減や関節の曲げ伸ばし(固有受容覚)に課題を抱えているのではないかと考えられます。

②縄跳び

上手に出来る児童がいる一方で、上手く膝を曲げれずに縄が足に引っ掛かったり、跳べるもののテンポ良く連続して跳べなかったり、必要以上に強い力で縄を回し、強い力で着地する児童がいました。このような児童は、関節の曲げ伸ばし、縄を回す力加減、着地の力加減(固有受容覚)跳んでから着地するまでの体の傾きの調節(前庭覚)に課題を抱えているのではないかと考えられます。

③金魚釣り

みんな概ね上手に釣る事が出来ていました。一番難しい竿に挑戦し、見事に釣り上げる児童もいました。中には、難しい竿で制限時間を過ぎてしまい、0点になる児童もいました。

楽しみながら感覚統合

この様に楽しみながら運動課題を行う事で、自然と感覚統合を養う事が出来ました。
これからもハートリンク本郷台では「楽しみながら出来ちゃった」となるように、感覚統合を養っていきたいと思っています。
またのご閲覧をお待ちしております。
参考文献
○木村順、保育者が知っておきたい発達が気になる子の感覚統合、学研プラス、2015
○感覚運動あそび、NHK for School、NHK、2020/8/2
https://www.nhk.or.jp/tokushi/sman5/teacher/2013_018_05_shidou.html
○発達が気になる子どもに寄り添う運動あそび~わくわくサーキットあそびブックから~、PLAY DESIGN LAB、PLAY DESIGN LAB、2020/8/2
https://www.playdesign-lab.com/report/entry/1144