ハートリンク放課後等デイサービス本郷台 ≪注意と怒る≫

こんにちは。ハートリンク放課後等デイサービス本郷台です。
 運動会の季節になり、各校で運動会が実施されていますね。例年と違い観覧などの制限がかかっている学校も多いのではないでしょうか。ご家族も例年と違う中での戸惑いがあるとは思いますが、当人である子どもたちの戸惑いが一番大きいのでしょう…。
我慢出来る事は我慢しつつ、早く新型コロナウィルスの終息に向かうように出来る事をやっていきましょう!
さて今回は、このような時期だからこそ子どもに対して『怒る』事が増えているご家庭も多くなっている事と思い、『注意』と『怒る』についてお話をさせていただきたいと思います。

『注意』と『怒る』の違いって・・・

『注意』と『怒る』の根本的な違いとしては…
『注意』とは、「ある事に気を付けること・心を配ること」であり、「警戒する・用心する」「気を付けるように忠告する」などと言った意味を持っています。また、注という字は訓読みで「注ぐ(そそぐ)」と読み、「注意」はある対象に「意識を注ぐ」という意味になります。
 そのため、「注意」は子どもの失敗やトラブルに対して、何が悪かったのかを気付かせて、課題と改善点を明らかにするための声掛けになります。子どもの身に起こった出来事を整理し、問題点を挙げて解決策や改善策を本人が考えられるように順序立てて伝えていく『注意』とは、理論的なアプローチになります。
『怒る』とは、子どもの失敗やトラブルに対して、親の感情のままに言葉を投げかける事です。子どもの身に起こった出来事に対して、手を上げるなどの行為はNGですが、言葉というよりも表情や態度で「ダメ」「悪い事」と伝えるため、子どもにはダイレクトに伝わりやすく、情緒的なアプローチと言えます。
 『注意』と『怒る』を比べた時に、怒る事は良くないと思いますが、道路に飛び出した時や友だちに加害行為を与えているような場面では、怒る事の方が効果的です。しかし、上記でもお伝えしたように「手を上げる・相手の人格を否定するような暴言」などの行為は絶対にNGです!大切なのは、注意と怒るの違いを知り、必要な場面での使い分けをする事ではないでしょうか。

 『注意』は他者注視・『怒る』は自己注視

冒頭でご説明をした内容でお気づきの方もいらっしゃると思いますが、『注意』と『怒る』には大きな違いがあります。
『注意』とは、子ども身に起きた出来事を整理して、子どもの成長を促すためのアプローチとなりますので、子ども目線(他者注視)となります。子どもに対して、どのように伝えればよいか、自分が伝えた事を理解しているか等を考えるため、子ども目線に合わせた理論的アプローチですが、『怒る』とは、苛立ちや怒りといった感情を子どもに投げかけるアプローチとなるため、「なんでわからないの!」「なんでこんな事をするの!」といった物事を自分の物差しで考えた声掛けとなり、自分目線(自己注視)での、情緒的アプローチになります。
家事に…仕事に…イレギュラーな出来事が起きた時など子どもの失敗やトラブルに対する関わり方が注意よりも怒る方に寄りやすくなります。これは、大人側が心に余裕が無かったり、感情的になってしまうからです。
場面により、注意よりも怒る事の方が効果的な場面もありますが、感情的に怒る事は子どもにとってマイナスになる事を十分に理解した上で意識的に『怒る』という方法を使う事が重要ではないでしょうか。

 大勢の前で注意をしない

 買い物などに行くと人の多い場所で子どもを注意したり、怒ったりしている場面を見かけますが、そのような場面を見かけた時にどのように感じるでしょうか?親の目線になった時には、注意や怒る理由があるのかもしれませんが、周りの目線になった時には決して良い印象は持たないのではないでしょうか。
 では、子どもの目線になった時にはどうでしょうか?見知らぬ大勢の目の前で注意や怒られる事に対して良い感情を抱く子どもはいるでしょうか?ほぼ皆無と言っても良いでしょう。子どもよっては、見知らぬ大勢の目線を感じる子どももいて、その目線の中で怒られる事は本人の自己肯定感を下げる事にも繋がるのではないでしょうか…。
 危険などがあって今この場で注意や怒る事もあるかもしれないですが、大勢の前で注意や怒る事で自己肯定感を下げる事よりも、注意や怒る場所を配慮して、個別の場で行う事で子どもが受け入れやすくなるのではないでしょうか。
「褒める時は大勢の前で!注意する時は個別で!」が好ましいと思います。

まとめ

 時には、注意する事も怒る事も成長の観点から状況に応じて必要ではあると思いますが、注意や怒る事よりも褒められる事が多い方が良い事は言うまでもありません。ただ、大人の目線だけになると『怒る』事が増えてしまい、怒られる事により子どもの自己肯定感は自ずと下がっていきます。
 注意・怒る側にもストレスがかかりますが、怒られる側の子どもにも当然ストレスはかかります。感情的になる事は良い結果を生まないケースが多いです。子どもには子どもの理由がありますので、大人本位とならずに子どもの気持ちに寄り添いながら、子どもが気付けるようにアプローチをされるのが良いのではないでしょうか?
またのご閲覧お待ちしております。