2020年6月22日
/ 最終更新日 : 2020年6月22日
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本郷台ブログ
ハートリンク放課後等デイサービス本郷台 «伝え合いと話し合い≫
こんにちは。放課後等デイサービス本郷台です。
本日は「伝え合い」と「話し合い」について取り上げたいと思いますが、「伝え合い」と「話し合い」の違いについてご存知でしょうか?
「伝え合い」とは「言葉で伝える事・話を聞く事」です。例えば○さんが考えや気持ちを言葉で伝える。□さんも考えや気持ちを言葉で伝える。お互いに相手の話を聞く。主観的に自分の思っている事を相手に伝える、これが伝え合いです。
一方で「話し合い」とは「相談して結論を出す事」です。自分の思いを伝えて相手が聞いて終わりではありません。テーマに沿って考えを出し合いより良い結論を導き出すために話を進めていかなければなりません。客観的な視点も必要になる双方向コミュニケーションです。大人でも会議などで自分の主観的な思いだけを伝え、他人の意見を聞かない方がいます。この場合においては「話し合い」になっていないだけではなく、「伝え合い」にもなっていないのです。
「話し合い」を成立させるにはまず、「伝え合い」の経験を積み重ね、土台をつくる必要があります。伝えたいと思うきっかけは何か心が動かされたり感動したりする事象が起こった時に多くあります。たとえば児童から「~して遊んだら楽しかった!」「アニメが面白かった!」等の発言がよく見られます。これは楽しかった経験をして、その感情を伝えたいという気持ちが働いています。「伝え合い」の経験を積むためには、このように児童が興味を持ったり楽しめたりするテーマにして、自分の思いや考えを伝えたいと思わせるような環境の設定が重要になってきます。興味のない話題やつまらないと思う事にはなかなか参加しづらいですよね。
ハートリンク本郷台では、「遊び」をテーマにして「伝え合い・話し合い」の場を時々設けています。自分たちが遊ぶ内容の話題は興味がわき参加しやすくなります。
▶体を動かして遊ぶかテーブルの上でボードゲームをして遊ぶか決める。
▶ジャンルが決まったらやりたい遊びを出し合う。
▶遊びの決め方を決め、何をするか決める。
という流れで何をして遊ぶかを決めました。児童それぞれにジャンルはどうするかを聞くと「体を動かしたい!」という意見が多数出ました。そしてなぜ体を動かして遊びたいのかを質問すると「体を動かした方が楽しいから」等、理由づけられる児童もいました。テーブルで遊びたいという児童もいて、ジャンルを決める時に「多数決だと負けちゃう」という意見が出ると、「ならくじ引きにしよう」と言う意見が出てくじで決定することになりました。
ジャンルが決まった後には2グループに分かれて遊ぶ内容の話し合いをしました。それまでは職員が主に司会進行を務めていましたが、それぞれグループのリーダーを決め、進行をしてもらいました。グループの児童に意見を求め、出た意見の中から多数決で決める等しっかり進行をすることが出来ました。リーダー以外の児童も「バナナ鬼がしたい!」「ドッジボールがしたい!」「かくれんぼがしたい!」と自分がやりたい遊びを次々提案していました。障害物競走に決まると自分たちでコースの作成・配置・走る順番を決める様子も見られました。
また、始まりの会の進行を職員がするのではなく児童に進行役を任せる試みをしました。進行役を募ると5人が立候補し日づけや天気、時間割の確認と当番決めの進行を分担して行いました。初めての試みでしたので職員が支援に入りましたが、進行役は全体への問いかけ、聞いている児童は発言する時に挙手してからする約束を守れました。同日の運動の時間には児童の方から「先生役やりたい!」と声が上がり、何の運動をするか決めるのとルール説明をしてもらいました。
まだ職員が介入せずに話し合いで結論を出すことは難しいですが、このように児童が関心を抱くテーマを設定することにより、伝え合い・話し合いへの意欲を高め経験を積んでいくことによってさらに成長できるようこれからも話し合いや児童主体での活動を設定し、思考力や判断力、丁寧な言葉遣いや語彙力を養えるよう支援していきたいと思います。
またのご閲覧お待ちしております。