ハートリンク放課後等デイサービス本郷台《ビジョントレーニング》

こんにちは。ハートリンク放課後等デイサービス本郷台の作業療法士の本宮です。
今回のブログは私本宮が初めて投稿させていただきますのでどうぞよろしく願いいたします。
記念すべき第1回目の内容は「ビジョントレーニング」についてです。卓上などで行うビジョントレーニングもあるのですが…今回はなんと!本郷台スタッフにビジョントレーニングマシーンを自作して頂きました!!素敵なマシンを作っていただいたので、ビジョントレーニングマシンの効果と目的をお話していきたいと思います。

マシンの写真になります。かっこいいですね!!

 

ビジョントレーニングとは?

ビジョントレーニングとは簡単に説明をすると目で見る力を向上させるトレーニングです。使い方は簡単で、光ったボタンをなるべく早く押すだけです。
先ほどい言った目で見る力というのは細かく分けるといくつかありますのでご説明します。
①眼球運動
筋肉で目を動かしたりピントを合わせる力です。
• 対象物を目で追っていく力(追従性眼球運動)
本に書かれた文字を目で追う
動いているものを目で追う
ひとつのものに焦点を絞って見つめ続けたりする等
• 対象から離れている対象へ一瞬でジャンプして見る力(跳躍性眼球運動)
黒板とノートを交互に見る
人ごみの中から探している人を見つける
本を読む際、次の行に移る
• 両目の連携(両眼視機能)
近くのものを見るときには両目を真ん中に寄せる
遠くのものを見るときには両目を離す
上記の3つの力があります。目を動かす筋肉が衰えると、この眼球運動の機能は低下します。
②視空間認知
対象物の色や形や位置などを把握する力です。これは筋肉ではなく、目から入った情報を脳で処理する力です。目から脳に情報が入る、または出る過程に何か困難があると、この視空間認知の力は低下します。
③目と体の協応
目で見た情報で判断して体を動かす力です。目と体の協応する力が弱いと、例えばキャッチボールをしても、適切な場所に手が出ないのでボールが取れない、という現象が起きます。
事例
3つの視覚機能は、例えば野球のフライを取る場面では、
• バッターが打ったボールを目でおう→眼球運動
• ボールを見て落下地点を予測する→視空間認知
• 落下地点に移動し、ボールをキャッチする→目と体の協応
このように使い分けられています。
これらの力を総合的に鍛える事が出来るのがビジョントレーニングです。
発達障害は視覚的機能が低下している方が多く、改善することによって運動機能や学習機能が改善する可能性があります。学習は視覚機能を多く使うため、視覚機能に困難があると…
・黒板の字を写すのに時間がかかる
・教科書を読んでいても字や行を飛ばして読んでしまう。
・視界のピントが合わないのでぼやけて見えてしまい目の疲労がたまる。
など様々な影響が現れます。そもそも情報の入力は「目で見るか」「耳で聞く」かが大部分です。その半分にがあると考えると、影響の大きさは想像できるでしょう。
それではビジョントレーニングの様子をご覧ください。


 

後ろ姿からも真剣さが伝わってきますね!この時に行っていたのは1分間で光るボタンを何個押せるかというタイムアタックを行っていました。好記録を出すために高い集中力を持って取り組んでいました。

 

ビジョントレーニングの使用例

・タイムアタック形式にする
・赤色だけを押す等の色縛り
・真ん中の列より左側は左手、右側は右手でボタンを押す
・真ん中の列より左側は右手、右側は左手でボタンを押す
・非利き手でボタンを押す
・ボタンを光らせるポイントを対角線上にする
・光ったボタンの色を言いながら押す
・下を向いてもらい、頭を上げた瞬間に光っているボタンを押してもらう
等になります。各児童のレベルに合わせて使い分けていきます。

 

評価ポイント

・頭部を動かさずに眼球の運動だけで光るボタンを探せているか
・ボタンを押す力加減が適切かどうか
・ボタンを正確にとらえられて押す事が出来ているか
・ボタンを押しに行く手はスムーズに出ているか(震えていたり、ぎこちなさがないか)
・反応が遅れる場所はないか(左側の見落としが多いなど)
・姿勢が崩れたり、ボードに近づきすぎないか
・ゲーム最中の焦りや苛立ちなどないか
等に意識を向けて評価しています。

まとめ

私たち本郷台スタッフはこのような目的・視点を持ってビジョントレーニングを行っております。ビジョントレーニングすごいですね!児童たちにも大人気で目で見る力の向上のために随時行っております!
今後もより良い支援を提供出来るよう日々勉強致しますので何卒よろしくお願い致します。
またのご閲覧お待ちお待ちしております。