ハートリンク放課後等デイサービス本郷台≪感覚過敏と鈍麻≫

こんにちは。
ハートリンク放課後等デイサービス本郷台です。
師走となり街中の木々も落葉し、気温も下がってきて風邪も流行っているようですが、風邪、インフルエンザ、新型コロナと基本的な予防策は同じなので、マスクの着用、手洗いうがい、ワクチン接種などできることを実践して今年の冬も乗り切りたいと思います。
ハートリンク本郷台では毎月事業所ミーティングを行っています。その際に必ず職員の内部研修も行っており、管理者と職員が持ち回りで資料を作成して担当しています。(新型コロナ流行前は外部講師を招いての研修も行っていました。)本日は先月の研修で取り上げられた感覚過敏と鈍麻についいてお話ししたいと思います。
特別支援学校や養護学校の子どもたちの中に、イヤーマフと言う大きなヘッドホンのようなものをつけている子がいるのを見たことがありませんか?イヤーマフとは外部の音を遮断するための道具です。大音量の作業現場などでも使われていますが、聴覚について感覚過敏のある人がつけることもあります。この様に療育や教育の現場ではたびたび見られることなので皆さんも見たことがあるのではないでしょうか?

感覚とは…

一般的に五感と言われる視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚のことであり、感覚器官で刺激を受けたときに生じる意識で、どの感覚器官で受容するかにより分類されます。ほかに固有感覚などもあり、分類の仕方によっては他にも様々なものがあります。感覚は気になる音の種類や大きさが人によって異なるように個人差があるので、個人の主観的なものと考えることができます。多くの人が平気な刺激に怖がったり、不快に思ったりする。逆に多くの人にとって恐怖であったり、不快に感じる刺激に対する反応が低いことがあります。ここで多くの人がと表現したように、通常の感覚とは平均的な意識を指すと言えます。

感覚の偏り

先ほど感覚とは個人の主観的なものと述べたように、刺激の受け取り方には差があります。この差が大きい場合は感覚が偏りがあることになり、日常生活にも支障をきたすことがあります。そして感覚は個人の主観的なものであるがゆえに感覚の偏りは可視化することが難しく、周りから理解されにくいという難点があります。
この感覚の偏りは4つのパターンに分けることができます。
  1. 感覚過敏…刺激に対して過剰に反応する。
  2. 感覚回避…刺激に対して過剰に反応するため、刺激を回避する行動をとること。
  3. 低登録…刺激に対する反応が弱く、感覚が鈍いこと。低反応・感覚鈍麻のこと。
  4. 感覚探求…刺激に対する反応が弱いため、強い刺激を求める行動をすること。
感覚の偏りが色々な感覚において、様々な症状を起こします。
  • 視覚…過敏な場合は光や動きが一度に飛び込んできたりする。
  • 聴覚…過敏の場合はいろいろな音や特別な音がうるさく聞こえる→イヤーマフの使用で対策
  • 味覚…味覚に偏りがあると偏食に通じたり、苦味、酸味に過剰に反応したりすることがある。
  • 触覚…粘土などで手がベタベタすることを嫌がったり、洋服のタグを嫌がったり、特定の服ばかり着たりすることもある。爪切りや耳かきを嫌がる。人から離れたがったり、人から触られるのを嫌がったりする。鈍麻の場合は強い刺激を求めて自傷行為を行うこともある。
この感覚の偏りは発達障害と関係があり、自閉症スペクトラム障害では幼いころから見られることが多いと言われています。

感覚の偏りが見られるときは…行動観察➡感覚の偏りを推測➡対応

子どもの感覚の偏りを汲み取りアプローチする。そのためには子どもの行動を観察し、【A.行動が起こった状況・きっかけ】【B.行動】【C.結果】から行動の理由を考えます。その行動がどのような刺激、どのような理由で起こっているのかを知り、また、自宅や学校、そのほかの場所での様子も共有して子どもがどのような刺激に対して感覚の偏りがあるのかを推測します。その上で対処方法を考えて、感覚に偏りのある子どもの困っていることや痛みを取り除けるようにします。そのための4つの対応方法を次にあげます。
①嫌悪刺激を取り除く、別の刺激に変える
・感覚過敏の場合は無理に刺激に慣れさせるのではなく、その嫌悪刺激を取り除いたり、置き換えたりして負担を軽減してあげます。
・感覚鈍麻、低反応の場合、刺激を過剰に求める行動(感覚探求)をとることがあるので、その感覚欲求が満たされる代替的なものや遊びを提供します。
②ルールを決めておく
・嫌悪刺激を回避するためのルールを決めておきます。聴覚の感覚過敏の場合は音がうるさいと感じた時はイヤーマフを着けるなどのルールを設定します。
③刺激のメカニズムや刺激が入ってくることを前もって伝える
・その刺激が生じるメカニズムやタイミングを予測できるようにし刺激に対する不安を軽減します。
④感覚統合療法を受ける
・複数の感覚を統合して刺激に対して反応しますが、この感覚統合が適切にできるように促すことです。自治体の療育センターやリハビリ、小児の医療機関で専門的な作業療法士から受けることができます。また、遊びを通しても感覚統合を行うことができます。
感覚に偏りがある場合、周囲がその困難さを理解して、その子供の嫌悪刺激をコントロールできる環境設定を意識してして行かなければならないと思います。
今回の内部研修ではハートリンク本郷台に通っている子どもたちにも見られることがいくつか出てきました。その事象の科学的な背景を知ることができました。これは本事業所の管理者の受け売りですが、経験則や感覚(五感の感覚ではなく良し悪しや相違などを感じ取る心の働きの方の感覚)だけではなく科学的根拠のある明文化された理論に基づいた療育が大切であると言うことを再認識できました。
ハートリンク本郷台では今後も研修を通してスキルアップできるようにしていきたいと思います。
またのご閲覧をお待ちしております。