ハートリンク放課後等デイサービス本郷台《算数すごろく》

とうとう梅雨の時期がやってまいりました。

雨の日はどうも気分が乗らない、なんてことありますよね。ただ歩きたいだけなのに濡れる…ああお日様恋しいなあ…。みたいな気持ちになります。

でも晴天の日はただ歩きたいだけなのに日に焼ける…雲かからないかなあ…。なんて思ってしまうんだからまったく贅沢な悩みです。

 

さて、耳奥に雨音を聞きながら、本日のお話に移らせていただきます。

本日は先日の木曜日、《学習》がターゲットの日に取り組んだ「算数すごろく」についてです。①狙いと課題設定②取り組みの様子③結果の順に、ご報告させていただきます。

 

①狙いと課題設定

《学習》というターゲットに取り組むようになって、2か月が経ちました。何度か取り上げさせていただきましたが、これまでの取り組みは学習スキルの向上を目的とした《学習支援》と言うよりも、そのために「机上で落ち着いて取り組む時間」を設けること、活動の中で「考える」「鉛筆を持って文字を書く」機会を設けることがメインとなっており、どちらかと言うと《学習支援への準備》という要素が強いものでした。

どんなに「楽しい学習」を目指していても、自由に遊んだり身体を動かしたり、ゲームをしている方が、机に向かい、考えて問題を解くことよりも楽しいのは事実です。突然「今日から学習が始まるよ」とプリントを出されてはお子様に苦手意識が生まれてしまう可能性が高いため、準備をして慣れていくことから始めていました。

なので、活動への参加を優先し、ゲーム性が高いもので、「文字を書く」とは言っても「書きたくなかったら先生が代わりに書くから内容を教えて」「(ゲームの趣旨に沿っていれば)好きなことを書いていいよ」といった補助も行っていましたが、そろそろ準備の段階から学習そのものを目的とした支援に移行したい。そう考えていました。

そこで、算数すごろくという名の通り、今回は初めて、《算数》をターゲットにしています。「算数」の中でも、内容によってはまだ未学習のお子様もいるため、《①20までの数②四則計算》とレベルを分けたものを用意することにしました。それぞれについてどの程度、どのように習得している(理解できている)のかを見ていきます。

 

さて、どんな課題を用意しよう?

今まで「机に向かって取り組む」「文字を書く」といった狙い、さらに「難しかったらやらなくても大丈夫」という補助がある状態での活動だったのに対し、「算数」「習得状況を見る(=難しいことに直面する)」という活動になるわけなので、さらにここに「ゲーム性があるもの」から「プリント」という変化も加わると一気にレベルが上がりすぎているような気がします。そこで、今回は「ゲーム性があるもの」という要素は変えずに行いました。

用意したのは、「算数」をした結果マスが進み、初めにゴールした人が勝ち、というすごろくです。

普通のすごろくはサイコロの目の数分進んでいきますが、このすごろくは「計算(問題)の答えの数分進む」というルールです。0~100までの数字を横に並べて書いた長い数直線を用意し、0からスタートして最初に100まで行った人の勝ちにしました。

次に、このすごろくの中の「算数」というターゲット課題をどのように「提示」するのか、つまり「計算(問題)をどのように出題するのか」を考えます。この提示が「算数だけど面白そう/楽しそう」とならなければ、「すごろく」というゲーム性があったところで取り組みに対して「でも算数だから嫌だな」と消極的になってしまう可能性があります。

そのため、利用したのが最近本郷台でちらちらと活躍し始めた、タブレットです。

タブレットのアプリの「ルーレット」「くじ引き」を使い、提示することにしました。自分の番になったら自分で画面を押して、課題を決めることにしました。

 

②取り組みの様子

「算数すごろく」という活動に対する提示方法からお伝えします。

はじめからみんなには「算数すごろくをするよ」と伝えて実施しました。それを聞き「算数」という要素に抵抗を持つお子様もいましたが、「これはただのゲームではなく、「算数」という学習に取り組んだ」という意識を持ってもらうためです。それができたら「算数を頑張った」「算数楽しかった」という成功体験になる上、今後に向けて「教室で学習する日がある」という習慣付けが狙いでした。

まずは長い数直線を床に広げて、「なんだこれ」という興味を誘った後、「最初に100まで行った人が勝ちのゲーム」だと伝え、ゲーム性を強調、狙いである算数の部分は、タブレットを見せて「自分の出した問題の答えの数分進めるよ」と面白さも一緒に説明をしました。

次に、内容が2つあるから好きな方に分かれていいという事を伝えて分かれてもらいます。(指導員側ではだれがどちらの課題を行うか決めていたため、そちらに行くように誘導もしています)

①20までの数チームの様子は…

みんな、机の周りに集まって取り組めています。

ちなみに、「8より2大きい数は?」「3の次の数は?」といった数列に関する問題を出していました。日本語で書かれると読み取りが難しい場合、「~+~と一緒だね」等足し算に直して伝えると自分で指で足し算して答えを出したり、数字が順番に書かれた紙を用意して「いくつ大きい/小さい」とはどういうことなのか指さし確認しながら行うなど、補助を出しました。

②四則計算チームの様子は…

3桁までの足し引き算と九九を用いた掛け算割り算を出題。大きな数の計算には、別紙に自分で筆算を書いて取り組みました。

 

③結果

今回は、タブレット端末を使用することにより、算数という学習要素に対し、①タブレット自体に興味がある②アニメーションや色、音楽がついていて目を引く③自分で操作できる④「ルーレット」「くじ引き」というゲーム性がある、といった点で積極的な取り組みを促すことができました。難しい要素の入る学習課題だったとしても、それを上回る「やってみたい」「面白そう」という提示をすることで主体的な学びを引き出すことができるということです。

また、「算数」というターゲットについても「何で躓いたか」「どんな計算方法をしているのか」を一人ずつ見ることが出来ました。

反省点としては、すごろくを0~100の数直線にしたため、「今何マス目かを表す数字」と「何マス進めるのかを表す数字」の2種類の数字が混在したため紛らわしくなってしまったということです。マス自体には特にお題等役割がないため、ただの空白のマスを進むより数直線になっている方がどこまで進んだのかの見通しも立ち面白いかなと思ったのですが、混乱を招いてしまいました。これでは、「算数だけど楽しかった」ではなく「よくわからなかった」「難しかった」という要素を生む可能性があるため、すごろく自体は見直す必要があります。

それでも、宿題等「やらなければいけない」というもの以外で自分から算数に取り組むことができたこと。《学習》に向き合えたこと。100までは時間がなくて行けなかったのですが、みんな本当に、がんばりました!

楽しく主体的に学べる《学習支援》の充実化を図り、今後も取り組んでいきます。

 

またのご利用、ご閲覧お待ちしております♪