ハートリンク放課後等デイサービス本郷台《宝さがしゲーム》

こんにちは。ハートリンク放課後等デイサービス本郷台です。
今回は先日ハートリンク本郷台で行われた、宝さがしゲームについて書きたいと思います。宝さがしゲームはSSTとして行われました。SSTとは、ソーシャルスキルトレーニングの略称で、人が社会で生きていくうえで必要な技術を習得するための訓練のことです。
では、どのような児童を対象に行われるのでしょうか?

SSTの対象

・指示を理解したり、判断したりするのが苦手
・得意な事と不得意な事に大きく偏りある
・自分の行動をコントロールするのが苦手
・人とのコミュニケーションが苦手
・運動が苦手
・情緒が不安定
など
ハートリンク本郷台では、このSSTをゲーム形式で行う事によって、楽しくソーシャルスキルを身に付ける取り組みを行っております。
それでは、宝さがしゲームのルールを説明したいと思います。

ルール

・指導員に戦って勝つと、指令書が貰える
・勝負の競技は、四点じゃんけん、あっちむいてホイ、叩いてかぶってじゃんけんポン
・指令書に従い、宝の地図を手に入れる
・指令書に書いてある文字の地図しか取れない
例:「あ」の指令書は、「あ」の地図だけ
・宝の地図を解読して宝を見つける
次にエリアの説明です。

エリア

・緑の洞窟

テントの中に宝の地図がある
ニセモノの地図もある
・宝石の湖

指定された色の宝石をスプーンで取る
指導員に報告、宝の地図を貰う
・ヘビの巣

ヘビに噛まれないように、割り箸でヘビを捕まえる
ヘビの裏に「当たり」とあると宝の地図を貰える
ハズレのヘビの裏には「噛まれた!『けっせい』を探せ!」等が書いてあり、『』の平仮名を漢字で書かないといけない
・古代遺跡

迷路には一人ずつ入る
地図を拾ったらその場で地図を開き声に出して読む
ハズレの地図を開くと罠が…

罠の例

・「罠だ!大岩が飛んでくるぞ!」:そのチームについている指導員がバランスボールを投げる
財宝は8個用意し、ハズレは4個用意しました。

このように宝箱に入れました。

児童の活動に対するモチベーションを上げるために、小道具として双眼鏡も用意しました。

今回のSSTの狙いは次の三点としました。

狙い

・指示理解スキル
・ルール遵守スキル
・話し合いスキル
「みんなー!財宝が欲しいかー!」の掛け声で探検スタート!

隊長、チーム決め

・話し合いスキル
児童全員が「隊長をやりたい!」というチームがありました。指導員はあえて口を出さず、見守ります。すると、一人の児童から「じゃんけんで決めよう」という案が出ます。他の児童もそれに賛同してじゃんけんで決める事になりました。
・ルール遵守スキル
じゃんけんで決めた後、その結果に不満を持つ児童がいました。自分達でルールを作った以上、それを守らないといけません。指導員はその事をその児童に説明しました。すると、崩れることなくその後の活動に参加する事が出来ました。
・自己表出スキル
普段は活動に消極的な児童が、隊長に立候補する様子や、自分の思いを言葉で伝える事が難しい児童が、言葉で伝える様子が見られました。

緑の洞窟

・話し合い、他者理解スキル
他の児童の事を考えずに我先にトンネルに入る児童がいました。この児童は他者理解に課題を抱えています。指導員が話し合いや他者理解を促したところ、話し合いを行う事が出来ました。

宝石の湖

・指示理解スキル
宝石を指示通り取れないチームがありました。指導員が言語補助を行うと、「そうか!」と分かったようで指示通りに取れていました。
・ルール遵守、他者理解スキル
片方の手で宝石を固定して取ろうとする児童がいました。その行動に対して「ダメだろ!」と強く言う児童もいました。指導員は、まず強く言った児童に「そういう言い方したらお友達はどんな気持ちになるかな?何て言えば良かったかな?」と言いました。すると「ダメだよ」と言い直す事が出来ました。手を使った児童には「~さん、説明の時、先生何て言ったか覚えてる?」と言いました。すると「スプーンでやる」と小さい声で言う事が出来ました。

ヘビの巣

・話し合い、他者理解、自己表出スキル
ヘビを裏返す順番を一人の児童が独断で決めていました。指導員が「~さんが勝手に決めていいの?みんなで話しあったの?」と聞くと、他の児童から「これでいいよ」と言う様子が見られました。前者の児童には他者理解スキル、他の児童には自己表出スキルが課題にあげられます。
・協力スキル
漢字が得意な児童だけがやる様子が見られました。指導員が「みんなで協力して解いて」と言うと、普段は他の児童にあまり優しく接する事が難しい児童が、漢字の苦手な児童に「脱皮」の書き方を教える事が出来ました。

古代遺跡

・指示理解、ルール遵守スキル
迷路には一人ずつ入る、拾った宝の地図はその場で読む等の指示を理解する、ルールを守る事が出来ていました。指導員から「~の文字の地図を探して」と言われると、その文字の地図の場所で止まる事が出来ました。その文字を探しながら進む事で、迷路を攻略する事が出来ました。

宝の地図の解読

・協力スキル
あるチームは一人一人自分が出来る所を解読して、協力して暗号を解く事が出来ました。暗号を解く事が難しい児童は、動物を探す暗号をしたり、他の児童が出した答えを読む事が出来ました。
・指示理解、ルール遵守スキル
あるチームは、同じ文字の地図を取るという事を理解していました。違う地図を取った際に、戻す様子が見られました。
ある児童は、宝箱が見えると、地図を解読していないのに取ろうとする様子が見られました。また、決まられた地図ではないものを取ろうとする様子も見られました。指導員が「決められた地図を探すんだよ」と言うと、指導員の指示通り探す事が出来ました。
今回は、指示理解、ルール遵守、話し合いスキルを狙いとしましたが、他にも自己表出、他者理解、協力スキルをトレーニングする事が出来ました。
ハートリンク放課後等デイサービス本郷台では、これからも遊びを通して楽しくSSTを行っていきたいと思います。