ハートリンク放課後等デイサービス本郷台≪断る力≫

こんにちは。ハートリンク本郷台です。
延長された緊急事態宣言の期間の3月7日が間もなくとなってきましたが、再度延長されるのかまだ分かりませんね。
コロナウイルスに対するワクチンは医療従事者の方、高齢者の方から随時接種できるようになってきていますので、このまま落ち着いていくことを祈るばかりです。
ただ、ワクチンが接種できるからといって未だ不安が多く外出を自粛したいと思っている方もいると思います。
自粛をしたいのに友人からの誘い、職場の上司や同僚またはご近所付き合い等の誘いがあり、本当は断りたいのにうまく断れない…
そんなことはないでしょうか。本日は「断る力」についてお話していきたいと思います。

なぜ断れないのか?

断りたいのに断れない。そのような時の心理状態として「いい人でありたい!」と思っていることが多いと思います。
誘いや仕事を頼んで受け入れると相手には喜んでもらえます。ただ、逆に断ると嫌われてしまうのでは…と思ってしまうのです。
いい人でいるため、嫌われないために心では嫌だと思っていても断らずに受け入れてしまうということですね。
しかしこれを繰り返していくと自分の神経をすり減らし、自分を殺していくうちに他人にコントロールされるようになっていきます。
また、他人の頼み事や誘いを受け入れてばかりいると自分の時間が無くなっていき、人生の充足感が得られなくなってしまいます。
そうならない為にも断る力を身に着けていかなければなりません。
これからは2つの研究結果をもとにどうすれば上手く断れるようになっていくのかを話していきたいと思います。

「can’t」と「don’t」

ヒューストン大学で行われた多数の人数を2グループに分かれさせた断り方に関する研究のご紹介をします。グループは以下の二つで
can’t…置かれた状況や周りの要因によって自分には「できない・行けない」と断るグループ
don’t…自分の意志によって「やらない・行かない」と断るグループ
この研究により、後者の「don’t」グループの方が断り方が上手になるという結果が出ています。
「can’t」の断り方は自分の意志ではなく、周りの環境によって出来ないと断るので自分の意志でない。つまり悪く言えば責任逃れの言い訳となるのです。この方法だと脳が「断れた」と覚えることが難しいようです。
「don’t」の場合は自分の意志で断っているので、脳が「断れた」「自分は断れるんだ」と覚えていき、これを反復することで断る力が上達するようです。
ただ、「can’t」で答えたほうが印象が悪くならないのではないか。「don’t」だとぶっきらぼうすぎないかと思う方もいると思います。
ここで大切なのが相手に共感・感謝をすること。ただ、やらないと断るのではなく、理由をしっかりと相手に伝えたうえで「誘ってくれてありがとう」や「忙しいのに申し訳ない」と共感や感謝を伝えることで印象が悪くなる可能性は低くなります。特に頼みごとをしてくる人は申し訳ないと思いながら頼んでくることが多いはずなので、しっかりと理由と共感・感謝を伝えれば悪く思う方は少ないでしょう。
それでも食い下がってきたり、文句を言ってきたりする相手は距離をとった方がいいらしいです(笑)

if-thenプランニング

続いてご紹介するのが「if-thenプランニング」です。
これは「○なら△をする」(お風呂を出たら歯磨きをする、朝7時にランニングをする)とあらかじめ決めておくということです。
この「if-thenプランニング」を断り方に紐づけて行った研究があります。
それはあらかじめ「○という条件の場合は断る」と断る条件を決めているグループと漠然と「断る!」と考えているグループに分かれて行われた研究です。
この研究結果によると、前者の方が2倍も断ることに成功したという結果が出ています。
自分の中で「こんな時は断る!」と決めておくとスムーズに断ることが上手にできるようになります。
この「if-thenプランニング」は断り方以外にも様々な分野に使えるものなので今後あらためてお話しさせていただきたいと思います。

まとめ

以上、断り方に関する研究結果を通して断り方が上手になる方法についてお話しさせていただきました。
自分の意思を明確に持ち、あらかじめ断る条件を設定しておき、ただ断るだけでなく相手に理由や感謝と共感を伝えることが大事ですね!
そして断れるようになっていき、自分の時間を作れることで人生の充足感をさらに感じていけるといいですね。自分の気持ちや時間を大切にしていきましょう!
ハートリンク本郷台に通っているお子様の中にも得手不得手があり、活動によっては「やりたくない!」と発言が聞かれることもあります。それは自然なことで大人の私であっても苦手なことは「やりたくないなー…」と思います(笑)
ただその時に「やりたくない!」だけでなく、なぜやりたくないのか・どうすればできるのかなどをお子様自身の言葉で表出できるようにし、上手に断れるように支援していきたいと思います。

 

またのご閲覧をお待ちしております。