ハートリンク放課後等デイサービス本郷台 ≪インナーチャイルド≫

こんにちは。ハートリンク放課後等デイサービス本郷台です。
新型コロナウィルスが流行り出してから1年以上が経ち、私たちの生活様式も大きく変わってきましたね。まだまだ収束の兆しが見えない状態ではありますが、一人一人が自分だけでなく、周りも意識した行動をしていく事が大事なのかもしれませんね。
 さて、今回は以前にもお話させていただきました、「インナーチャイルド」についてお話をさせていただきたいと思います。

 インナーチャイルドとは

 直訳すると「内なる子ども」となりますが、「こころのアレルギー」「-(マイナス)の記憶」とも言われます。
0~9歳(第一ステージ)と10~20歳(第二ステージ)に分けて、第一ステージで経験した-の記憶が継続して、第二ステージでも経験する事により、-の記憶の付加となります。子ども時代の二つのステージで経験した-の記憶が、その後の大人になってからの人生に大きく影響する可能性があると考えられています。
一般的に人は成長するに従い、思考や行動が成熟していき、それにより対人関係が円滑になり、社会生活を営んでいく事が出来ます。
しかし、何らかの理由によりインナーチャイルドが根付いてしまう事で、年齢を重ねても成熟した考え方が難しくなってしまい、特定の場所や作業などについて強い抵抗感を覚えるなど、対人関係にも支障をきたす事があります。

 インナーチャイルドの主な症状

■自己否定が強い

他人と話している時に、すぐに「自分が悪い」と思い込んでしまうのは、インナーチャイルドが居る人の特徴であり、自分が悪いと思う結果、すぐに謝罪をしたり責任を取ろうとします。時には、自分が悪い訳ではないのに謝ってしまい、社会生活で損をしがちです。
こうした傾向が強くなるのは、子ども時代に周りから虐げられた経験により「謝れば許してもらえる」という思考回路が染みついたしまった可能性が考えられますが、そのまま大人になる事で、他人との言い争いになった時にも早くその状況から逃げ出したいという回避行動として謝罪を口にして会話を終わらせようとする事があります。ただ、事態の根本的な解決にはならないため、本人の苦しみは続きます。

■対人恐怖

会話が苦手だったり、そもそも人と関わる事を躊躇ったりする事もインナーチャイルドが原因の場合があり、子ども時代に過酷な体験をした人は「他人は自分を傷付ける存在」という考え方が固定しやすくなります。
固定化された考え方はすぐに変わる事は少なく、大人になっても心の底から人を信用出来ない事があり、「自分の事を嫌いなのではないか?」「自分は騙されているのではないか?」などの前提で人と接するため、相手となかなか打ち解ける事が出来ません。
このような状況は、友達や恋人が出来たとしても、相手に裏切られるという不安は振り払えず、こうした猜疑心が相手を不快にさせ、結果的に本当の破綻に繋がってしまう事があり、人間関係の失敗を繰り返す事で、更に対人恐怖が強くなるという悪循環に陥ります。

■他人を支配したがる

インナーチャイルドが居る人には、他人を強引に従わせようとする傾向も珍しくなく、こうした支配欲は相手が親しくなればなるほど強くないります。
他人と対等な関係を築けない原因として、子ども時代に要求が全く通らなかった経験が考えられます。家族や周りから、無視をされたり蔑まれ続けると、心が満たされないまま大人になり、その結果が子ども時代に満たす事が出来なかった要求を現在の人間関係で満たそうとしているのです。
とはいえ、大人の世界で自分の要求が全て通る訳ではなく、無理な主張ばかりする人は集団生活の中で疎まれたり、誰かと共依存的な関係を築いたりと危うい人生を送る傾向が見られ、その均衡が崩れた時に、大きな事件に発展する可能性も秘めています。

インナーチャイルドに向き合うには

インナーチャイルドとは、過去の自分の経験により、生み出されてたもう一人の自分になるため、無暗に否定をしたり無視をしても改善には繋がりません。インナーチャイルドと向き合い、潜在意識を客観的に理解していく事が重要になります。
このようなインナーチャイルドと向き合う行動は、一朝一夕では完了せず、継続的に心のケアをしながら、少しずつ過去の自分(トラウマ)と現在の自分を切り離していく事が大事になります。

■傾向を自覚する

まずは自分の行動や思考と客観的に向き合う事が大事であり、今までの自分の人生の中で起きた生きづらさなどを感じている内容に対して、どのような感情が働いたのかを思い出します。無関係だと思っていた出来事でも、並べてみると実は共通のパターンがあったなど、今まで気づいていないかった事が見えてくる事もあります。
例えば、「容姿について言われると逆上する」「異性に指示される事が我慢できない」と言った傾向が浮かび上がってきたらインナーチャイルドの可能性が高いと言えます。

■意識を未来に向ける

インナーチャイルドの存在を自覚したところで、考え方を変えていきます。インナーチャイルドが行動や発言に大きく影響するのは、自分自身が過去の体験に囚われているからです。「親が愛してくれなかった」「周りが酷い事をした」などを現在でも引きずっている事により、心が成熟できないのであると言えます。
とは言え、それほどまでに強烈なトラウマを植え付けられる出来事には同情をされるべき事ではありますが、つらい過去の出来事を書き変える事ができない以上は、未来を見据えて生きていくしかなく、過去の出来事に囚われる無意味さをはっきりと理解する事が、インナーチャイルドと向き合う一歩になります。

 ■負の感情を出し切る

 負の感情を抑圧する事によりインナーチャイルドは生まれ、更に傷付く事になるため、自分自身がインナーチャイルドを客観視できるようになったところで、抑圧されていた感情を出し切る事が大事になります。
例えば、心理カウンセラーや療法士などとの対話によりトラウマをなっている負の感情を吐き出していく事も方法の一つになります。感情表現が苦手な人は、自分の境遇と似た映画やドラマを鑑賞する事も一つの方法になると思いますが、これらの方法で感情を解放させる事で、インナーチャイルドにアプローチができ、本当の自分に慣れる可能性が高まるのではないでしょうか。

 

まとめ

20歳までの出来事がその後の人生に大きく影響する可能性があるため、私たち支援者もインナーチャイルドに影響する期間に関わっている事を認識して対応をしていく必要があります。
インナーチャイルドとは、もう一人の自分ではありますが、変えられない存在ではありません。インナーチャイルドというもう一人の自分の存在を受け入れる事で変わる事は出来ます。焦らずにゆっくりと向き合っていく事が大事になるのではないでしょうか。

 

またのご閲覧お待ちしております。